「主従」とはまさにこのこと。

 作者さまの代表作とも言える「シレアシリーズ」のスピンオフ短編です。
 すでにこのシリーズのファンの方なら楽しめるのはもちろんのこと、未読の方々にもお勧めできるのがこの短篇。
 シレアシリーズは登場人物に血が通っていて、それぞれ自分の「大事なもの」を守ろうと頑張っている、ひとことで説明するとそんな素晴らしい人間ドラマとなっています。

 さて、本編は前述の通りそのスピンオフシリーズ。大人気キャラクタ「殿下」とその従者「ロス」が活躍する物語なのですが、この二人がもう本当にカッコいい。
 二人の関係性がもう素晴らしく、二人の仲をあえて一言で表すと、コンビでもなくバディでもなく──、やはり「主従」。これがピッタリなんじゃあないかと思います。

 シレアシリーズは長編が3作あり、しかも重厚で奥深い物語。まずはこの短編を読んで、キャラクタたちの素晴らしさを味わって頂き、そして長編を読んでみてはいかがでしょう。

 しっかりとしたファンタジーを好まれる方なら絶対好きになると思います。このレビューが目に止まった方は、ぜひ!

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