殺し屋の矜持。

 作者さんが描かれる話譚シリーズ第三作!

 これはまだ「枝鳴長屋」ができる前のお話で、主役は漬物石と呼ばれてる凄腕の殺し屋「栄吉」です。
 シリーズを通して読んでいる方にはニヤリとする描写もあれば、このシリーズから読んでも面白い作品に仕上がっている作者さんの手腕はやはり本物です。

 物語は大店の呉服屋「天神屋」が舞台。ある日、栄吉は天神屋を馘にされた番頭をゴロツキから助けます。番頭から話を聞いてみると何やらおかしい。四十年も真面目に働いててきた番頭をあっさり馘にするなんて、どう考えたって呉服屋の旦那はおかしすぎる。
 さらにはこの番頭を消して欲しいとの依頼まで来て……。

 殺し屋とはどんな存在か。人の道を外れた者はやはり人外の考えの持ち主なのか。そして殺し屋の矜持とは。
 ハードボイルドな時代劇が好きな方は必見の作品ですが、是非ともシリーズ一作めから読んでみて! 絶対後悔しないから! ガチのオススメ作品です!

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