スローライフを目指して逃亡する先は、なんだかどこかで聞いたものばかり?

賢者の称号を持つ少年は、勇者と共に戦いと冒険の運命を背負うことになる。
こんな感じで賢者や勇者が旅をするというのが、スタンダードな王道ファンタジーと言えるでしょう。しかしこの賢者、戦いなんてしたくないと、スローライフを目指して逃亡することを決意します。

……と、ここまでなら、最近流行っているスローライフな異世界ファンタジー。そんな本作最大の特長は、賢者が逃亡先でまわる土地の数々。
一部を挙げてみますと、チーバ、サイの国、イバラーギ。なんだかどこかで聞いたような響きではありませんか。
もちろん似ているのは名前だけでなく、その土地毎の文化や気候、名産品だってそう。賢者の逃亡劇の間に盛り込まれる、旅行記や観光ガイドともいえるイベントを見ていると、次は自分の住んでいるところ(と、よく似た場所)に来てと思ってしまいます。

その一方でこういったファンタジーのお約束である、聖女や魔王軍の将軍様が絡んだラブコメもしっかり完備。
全国津々浦々を巡りながら、愛とスローライフを目指してそれぞれの思いが交錯します。

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