第11話
「これで俺の勝ちか?」
最後のオセロを花恋が置いたところで声をかけた。
まだ数えてはいないが7割が黒で埋まっており数える必要がない。
「あー! 負けちゃった!w」
花恋は少し残念そうな顔で言葉を発した。しかしそれは表面上であり、声は逆に元気そうに感じた。
「しかし零くん、全然質問しなかったね」
「……まぁそうだな」
考えてはみたが、特に聞きたいことはなかった。
好きな食べ物などを考えたりしたがわざわざ聞くことなのか?って話だし……。
まぁどっちみち、質問ばかりされて質問する暇がなかったんだが……。
「逆に私が零くんに話しかけまくっちゃったからトークはたえることなかったね」
「確かにそれは少しある。そこまで質問考えられるのすごいな」
「……別に考えて来てるわけじゃないからね?」
「それぐらいわかってるよ」
まぁ全部恋愛系や俺が好きなもの系だったのは気になってたが。
まぁだとしても、俺みたいなやつの質問考えてなんてこないだろ。
その証拠に勘違いされてほしくないようなおとおどした様子で口を開いていたし。
「ピコーン」
スマホから通知の音が部屋に鳴り響く。
……この音はホインか? スマホを覗く。
「友達からのメッセージかな?」
「そう見たいだね…」
これはコンビニでホインを聞いてきた人だ。
いきなり一目惚れと言いだし、しつこくホインを聞いてきたよくわからない人っていう印象なんだが……。
俺に話などあるのだろうか?
しかし見ないでスルーできる雰囲気じゃないし返事しないければだよな……。
そう思うとしぶしぶホインを覗く。
『今から遊べたりしますか!?』
……遊ぶ!?
いやホイン交換したのつい最近だぞ?
「あの…焦ってるみたいだけど大丈夫?」
「うん。平気だよ…」
いやいや少し待て……。
これはトラップだ。落ち着け俺。
これは俺をサイフだと思ってるだけだ……。
よし…断りをいれればいいんだ。
今遊んでいる最中だから無理だ。これでいこう。
そう思うとメッセージを送信した。
メッセージを送信すると、すぐにまたメッセージが送られてくる。
『友達って男性ですか?女性ですか?』
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