第5話 スーパーの店員


 昨日は色々とおかしなこともあった。

 いきなりクラス一の美少女に連絡先聞かれるし。普通ならおかしいだろ。

 それにわざわざ俺の意味もわからんし。

 前からこういうことはあったんだけど、友達になりたいケースなんてあるんだなぁ。


「袋はお値段かかりますけどいりますか?」

「いります」


 なら屋上に来てくださいなんて言わずにどうどうときてくれればいいのに。

 俺が友達少ないから気でも使ってくれたんか?


 そういえば、あのあとホインも繋がったからなぁ。

 相手側から電話するのは面倒くさいからチャットアプリの方がいいって言われ続けたんだよ。


「ポイントカードをお使いになりますか?」

「いや大丈夫です」


 文句言われ続けるのも嫌だしなくなるもんでもないから繋がったんだけど。

 それが何故か友達とかにバレて俺も欲しいって言われ続けてるんだよな。

 ほんまにめんどくさい。

 それに『付き合ったん!?』とか『どんな関係なん?』とか全然知らん人からもくるし。

 そんな俺が付き合えるわけねぇだろと言いたい。


 まぁとりあえず、スーパーで買ってこいと親から言われた物を買いあとは家でごろごろしようかな。


「あのーちょっとお願いいっていいですか?」

「ん? はい?」

「一目惚れしちゃって、ホインだけでも繋がれることできないでしょうか?」


 はい?

 ひとめぼれってなんですか?俺の知る一目惚れとは違うと思うけど……


「ひとめぼれって?」

「えーっと一目見たっけ好きになったんです!」


 いやいやおかしいだろ。絶対。

 この店員さんは学校は違うけど多分高校ぐらいで歳近いって言っても。

 それに普通に可愛いし絶対モテると思うし。


「なんか脅されてもいるんですか?」

「え?そんなことないですよ!」


 いや脅されてもなかったら普通そんなこと言わんだろ。


「どこら辺にそんなポイントあるんでしょうか?」

「全部です!」


 これは気づいた。

 金あると思われてるのか!?そうかそうか!

 わかってしまったぜ!

 そうじゃなきゃこんなこと言わないしな。

 俺もなんでそこに気づかなかったんだろうか?













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