第6話 スーパーの店員②




「なんとなく本当の言いたいことはわかりました」


 彼女が袋に買ったものをいれている時そう言う。

 言うと彼女は顔を上げ、口を開ける。


「私の思いが伝わったんですか!?」

「だいたいわな」


 彼女が遠回しに言ってきたことは大体理解した。今のもその伝わったことに対する驚きだろうな。

 しかし何故俺なんだよって思うが。

 俺をATMにするぐらいなら他にいると思うけどな。歳的に扱いやすいとでも思ってるだろうか?


 そう考えていると袋に詰め終わった彼女が話しかけてくる。


「それでホインを繋がせてもらうことはできますか?」


 嫌に決まってるだろ……

 誰がATM喜ぶやついるんですか?ってこやつに聞きたいわ。


 ただスーパーに買い物に来た俺を巻き込ませないでくれ!

 まぁわかるよ!俺が最適ってこともわかるんだけどさ。彼女いなそうってわかるし……


 だからっていって無理な無理。

 なんか怖いし。


「無理です」


 そう言うと彼女は予想外のことだったのか慌てながら話す。


「ちょなんでですか! ホントに理想な人なんですよ!」


 はぁぁ。

 いや確かに彼女的には、金あげる理想な人かもしれんけどさ。俺からしたらメリットあるんかって言うことよ。


「確かに彼女からしたらそうよ。でも俺からしたら、どうなんだってことよ」

  

「そこをなんとか! 別に変なことはすぐにしないですから!!」


 彼女は真剣な眼差しで言った。

 そう言うと気まずい沈黙が流れる。


 あーもう。

 そんな眼差しで見ないでくれよ……

 心が痛むからさぁ。

 まぁ変なこと(金あげる)しないならホイン繋げてもいいけど……


 そう思ってると彼女が視線を合わせ、話しだした。


「少しでも嫌になったらブロックしていいので! お願いします!」 


 ブロックしていいかぁ。

 まぁ俺自身ブロックするのに抵抗あるタイプだから今までしたことないんだよなぁ。

 でも彼女がそこまで言うってことは金あげる他になんかあるかもしれないような気がしてきた。


 よし!わかった!

 これ以上長引くと俺自身も面倒くさいし交換しますか。


「わかりましたよ。交換しましょう」


 その瞬間、彼女は体を上げ、2回顔を合わせた。


「えっえっ! 本当ですか! 今すぐ交換しましょう!」


 一気に雰囲気が変わる。

 そして彼女を言葉を聞いた俺はスマホを取り出し彼女に見せる。

 ホインの交換を終えると――


「ありがとうございます!! やったー!!」


 あ、そういえば名前聞いとくか。ホイン繋がって名前知らないとか変だもな。

 そう思うと口を開け言いだした。


「あのー、名前聞いていいですか?」


「あ、そういえば名前言ってなかったですね! 名前は夜桜楓よざくらかえでです! 逆に名前聞いてもいいですか?」


「名前は海崎零かいざきれいです!」


 夜桜楓かぁ。凛とした感じたなぁ。

 見た目はどっちかと言えば可愛い系だけど……。

 まぁ帰るか。


「それでは時間もあれなんで帰りますね!」


「ありがとうございました!」



















































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