2022/06/15 #新匿名短編コンテスト・再会編 自作語り
#新匿名短編コンテスト・再会編 の結果が発表されました。同時に作者名も公開されて、あれこれと「そうだったのか」となっています。
#新匿名短編コンテスト・再会編
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244
わたしの参加作品は11作でした。投稿数二桁!
最多投稿賞には遠く及びませんでしたが、それでも頑張ったと思うのですよ。
そんなわけでこの勢いで自作振り返りです。
■ 金木犀と鱗雲
とりあえず参加したいから何かしらは完成させたい、と書き始めたお話です。結果、いつものもだもだになりました。
再会ということは、以前に会っていて何か理由があって離れていて改めて顔を合わせたわけで、その全部にどういう理由をつけるかのバリエーションだなあ、みたいなことを考えていた気がします。
それで、前世。前世がどうこう言い出すけれど、言うほど前世関係なくて、「それ本当なのかな」「前世とか関係ないんじゃないかな」みたいな辺りを狙ってました。多分いつもの自分味です。書こうとしたことに対してなんだか文字数が足りなかったなあ、みたいな気持ちは強いです。
【No. 004】金木犀と鱗雲
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244/episodes/16816927862431695369
言葉足らずだった部分を加筆して自分のところで公開しました。
金木犀と鱗雲
https://kakuyomu.jp/works/16817139556024872383
■ アーベルとエラと森の魔女
最初に書いた『金木犀と鱗雲』が手癖全開で、匿名性をかなぐり捨ててる感じがしたので、そうでない方向性のものを何か書こうと思って考えました。
わたしは戦闘シーンというものを滅多に書かないので、戦闘シーンを書けば自分ぽく見えないのでは? という思い付きから膨らませた話だったのですが、出来上がってみたら結局戦闘シーンは書いてないですね……。
愛した相手を取り戻すために戦うんだけど、その結果ようやく再会した愛した人を殺さないといけない、みたいなのはどうかな、とぼんやり考えていた気がします。
たまにしか書かない三人称を使ったり、せっかくならと漢字を普段使わないものにしてみたり、いろいろと楽しかったです。
【No. 007】アーベルとエラと森の魔女【残酷描写あり】
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244/episodes/16816927862495929591
■ もう決して会えない誰かがいるあなたのための再会マニュアル
何かもう一つ、前二つとはまた雰囲気が全然違う何かを投稿しておきたいな、みたいな気持ちになってあれこれ考えている間に書けました。
最初は二人称に挑戦しようかな、とぼんやり思っていたんですよね。二人称というか、手紙の形式というか。生きている人に向けて死んだ人が自分を忘れるための方法を再会の方法として伝える、という。
試しに書いてみたけれど、思ったよりも面白くならなくてやめてしまいました。語り手の死という重さに耐えられるほどの強度がなかったというか。
変に個人の感情が入り込んでいるのがかえって良くないのでは、と気付いて辿り着いたのが「マニュアル」でした。いっそ「方法」の部分だけを取り出して個性を消失させてみたら、消えた感情の部分に何かが浮かび上がってこないだろうか、みたいなことを考えていたような気がします。
途中で一ページ欠落させて手順を不完全にしているのは、冗談でもなんでも手順を試みることができないようにするためです。安全装置的なものというか。
他の作品でも、テーマによってはできるだけ「これはフィクションですよ」「ここまで全部お話でした」「だから大丈夫だよ」って線引きができるような書き方を気にしていたりします。それがうまくいっているかは別にして。
改めて見返すと、もうちょっとブラッシュアップできたなあ、みたいなことを思います。
【No. 023】もう決して会えない誰かがいるあなたのための再会マニュアル
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244/episodes/16816927862822324219
■ 神様にまた会える
ちょうどですね、KACのときに書いた『セマザサ族』のお話に素敵なレビューをいただいて、またそんな雰囲気のものを書きたくなったんです。風土記系というか、架空の文化の記録というか。
火山に向き合ってフラダンスを踊る光景を見たときの衝撃が、多分このお話の原風景だと思います。そのフラダンスはあまりに力強く、今までわたしが勝手に抱いていたフラダンスのイメージを鮮やかにぶち壊してくれました。あれを見て、フラダンスの意味というか、その根っこにあるだろうものを強く感じたのですよね。
すでに投稿済みの他作品と「踊って神様に会う」という部分がネタ被りしてると気付いたのは書き上げてからです。一瞬ためらったのですが、「踊ってトランス状態になる」ことや「神降ろし」「神懸かり」みたいなものは古今東西にあるものだし、書きたいものも書いているものも違っている、と考えました。意図してネタ被りしたものではないです(こうやって書くと言い訳めいてしまいますが)。
このお話の舞台は、ハワイにならないように気を遣いました。あくまで架空の文化の架空の踊りです。いったいどの辺りの地域なのかが曖昧なのは文字数の都合もあるのですが、わざとです。共通語というのもどこの言葉なのか。
もしかしたら、これと似たようなことは些細なことも含めてしまえばどこにでもある、普遍的なものなのかもしれません。
【No. 076】神様にまた会える
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244/episodes/16817139554487069321
■ ボクたち三人で遊んだ裏山の秘密基地とドラコの思い出
主催者の板野かもさんのこのツイート。
「盛り上げ貢献賞」の規定に、「主催者自身が最多投稿者であった場合、次に多くの作品を投稿された方を最多投稿賞とする」旨を追記しました。https://twitter.com/itano_or_banno2/status/1525778454125645824
このツイートに慄いて、それで何か投稿せねばという気持ちになったことは覚えています。
それでまあ、なんとかかんとかお話になりそうなものを自分の中から引っ張り出してきました。最初のとっかかりは、仲良し三人組と秘密の友達、成長してから秘密の友達と再会、みたいな感じだったと思います。もうちょっと言ってしまうと劇画オバQですね。オバQが戻ってきたけど、みんな大人になっちゃってるというあの漫画。
そこからあれこれ頭の中でこねくり回しつつ「ボク」の語りに任せているうちに、こんな感じになりました。当初にぼんやり思っていたよりも「ボク」の状況が深刻になってしまった。
彼はでも、ドラコにまた会えるまでは生きるつもりでいるようです。そしてドラコにまた会えるときまでに、もしかしたらたっくんやカズとの交流を少しは取り戻せているかもしれないな、と思います。それで少しは生きやすくなると良いな、と。
まあ、そんな理由で、主催者自ら踊るなら続く自分も共に踊らねば! という気持ちで書き上げたお話でした。
【No. 093】ボクたち三人で遊んだ裏山の秘密基地とドラコの思い出
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244/episodes/16817139554638478538
■ ナゥワを返すために
なんだかまた民族系というか、異文化的なものを書きたくなって書きました。
一度『神様にまた会える』で書いたんですが、それよりもっと異文化に踏み込んだものにしたくなったのですよね。
それこそ、その民族の独自の言葉が出てきて意味のわからない会話をたくさんして、それにルビがいっぱいくっついて、まるで字幕付きのドキュメンタリーでも見ているような、そんなものを書きたくなりました。
それで、言葉と仕草を頑張ってでっち上げました。突貫工事で言葉を用意したので、文法だとか単語だとかでミスしてそうでハラハラしてます。何度も見返したけどそれでもミスはあるかも……とはいえ架空言語ですので、何かあっても大目にみてください。
自作の『旅をする』が完結して以来、久しぶりに架空言語を書いて、書いてて楽しかったです。
これは知っている人にはすぐに自分だってわかりそうだなあ、なんて思いながら書いてました。だって好きなんですよ。匿名性をかなぐり捨てて趣味を詰め込みたくなったんです。
そういえば、本文では書けなかったんですが、ナゥワの元々の意味は「魂」に近い概念です。コメントで言い当ててもらえてとても嬉しかったです。
あと『【No. 130】素敵な再会のための言語フェチ的萌え作品ピックアップ ~作者の人そこまで考えてないと思うよ~【GL要素あり】』でピックアップしてもらえて嬉しかったです。
そこで「テ」が「外来語的で異質な響き」と書かれていて変な声が出そうになりました。島の文化と歴史がたった一言で……! この言葉は自分の中で三段飛ばしくらいで急に繋がって出てきた言葉なので、ここまではっきりと意識していた訳ではないので恐縮ですが……お茶関係だけ他の言葉と少し違うのはその通りです。
いや、あの、言語系のあれこれは素人なので、詳しい人に見られるとボロが出そうです。おかしなところがあってもそっと見逃してください……!
言葉もそうですが、仕草や普段の考え方を辿っていくと元々はこういう風習で、こういう意味合いがあって、みたいなことを考えるのは楽しいですよね。
【No. 107】ナゥワを返すために
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244/episodes/16817139554741238668
■ 『結ぶ未来』第十話オーディオコメンタリー版
ルビで遊ぶような作品を書きたいな、と思って書きました。飛び道具も一回くらいは使いたいじゃないですか、ほら。
最初は字幕と考えていたんですが、あんまりうまくいかなくて、こねくり回している間に副音声、オーディオコメンタリー、と思い付いたものです。
思い付いたので書いたんですが、大変だったのでもうやりたくないなって思いました。なんていうか、書いても書いても文字数が増えないんですよ……!(当たり前)
いや、楽しいは楽しかったですけど、今はまだ大変だったという気持ちが強いです。これ読むのも大変ですよね、ごめんなさい。
多分、わたしの手には扱いきれない飛び道具だったんだと思います。自分よりもっと面白く書ける人がいそうだよなあ、というのが感想です。
【No. 115】『結ぶ未来』第十話オーディオコメンタリー版
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244/episodes/16817139554799625874
■ 蜘蛛の化け物に襲われたら神様が助けてくれたけど今度はその神様に求婚されています
ここまできたら、書けるだけ書いてみようと思って書きました。
昔に考えていたけど多分もう書かないだろうな、というネタを引っ張り出してきました。
これ、実は設定だと神様との約束の部分がもうちょっと複雑なんですよ。それで、再会要素は本当はそっちにかかっていたんですが、どう考えても文字数が足りなくてそっちを削って、無理矢理に再会要素をくっつけてしまいました。再会要素が雑ですみません。
元々考えていた話だと、他の妖怪とかいろんなキャラが出てきてわちゃわちゃと学園生活を送りながら愛を育んでいく予定でした。実のところ設定だけで中身があまりないので、実際に書くことはできないと思います。書くとしても、だいぶ設定を変えないと書けないんじゃないかな。
【No. 121】蜘蛛の化け物に襲われたら神様が助けてくれたけど今度はその神様に求婚されています
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244/episodes/16817139554848066882
■ 黒猫のクロがわたしを守るために戻ってきた話
これも、没ネタのうち多分もう書かないだろうな、というところから引っ張ってきました。
確かKACの「猫の手を借りた結果」のときにぼんやりと考えていた話じゃなかったかな。ちらっと考えたけど、そのときはお題に対してあまりうまくまとまらなくてやめたんだった気がします。
今回の「再会」にはすんなりハマってくれた気がしますね。めちゃくちゃ説明不足で急ぎ足でしたけれども。
お話のパターンが前回の『蜘蛛の化け物に襲われたら神様が助けてくれたけど今度はその神様に求婚されています』と丸かぶりしてますが、そこは目をつぶってください。二千五百字で書きたいシーンだけを書こうとしたら同じになってしまいました。
ワンパターンじゃんという自分の声を封じて投稿したのは、ここまできたら後二作書いて「投稿数二桁です!」って言ってみたくなったからです。
とは言っても最多投稿賞を狙うつもりは全然なくて(主催の板野さんを除いても、わたしよりもたくさん投稿する人は多分いるだろうな、と考えていたので)、ただ単に二桁ってやっぱりなんかこう、いっぱいって感じがするな、というそれだけのことです。
せっかくのお祭りなので踊る! って気持ちでした!
【No. 123】黒猫のクロがわたしを守るために戻ってきた話
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244/episodes/16817139554877470497
■ 親戚の法事のたびに
十作目です。二桁。
(力尽きたらしく、ここで文章は途切れている)
ここまできたからには投稿数二桁になるぞ! と強い気持ちで書きました。
本当は「これで十作目ですいえーい!」みたいな文章を書いて投稿するつもりでいたんですけど、読み返して「これはないな」と思ってやめましたこれで十作目ですいえーい!
【No. 129】親戚の法事のたびに
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244/episodes/16817139554918509372
■ 何年か前に読んだweb小説なんだけど知ってる人いない?
いや、十作書いたら終わりのつもりだったんですよ。だったんですけど、板野かもさんがツイートする最多投稿の状況を見たら、二位だと気付きまして。
16作投稿:1名
10作投稿:1名
8作投稿:2名
7作投稿:2名
6作投稿:1名
5作投稿:2名
https://twitter.com/itano_or_banno2/status/1530304554851782656
いや、一位の十六作に追い付ける気は全然なかったんですけれども。仮に一位がかもさんなら実は暫定最多投稿賞なのでは? と気付いて、それでせっかくならもうちょっと踊ろうかなと……。いや、抜かれるだろうな、とは思ってはいたんですけど、せっかくなので。もうちょっとだけやってみようかと。そして実際そのあと怒涛の勢いで抜かれましたね。あの勢いはすごかった……。
前回のお話を書いたときに「さすがにもう無理」って思ったんですけど、引っ張り出せば出てくるものですね。まあ、だいぶ疲弊してる自覚はありますけれども。
また読みたい作品との再会(できなかったけど)でもあるし、作者と読者の再会でもあるし、作者として自分の作品との再会でもあるのかなあ、なんて思って書きました。
【No. 147】何年か前に読んだweb小説なんだけど知ってる人いない?
https://kakuyomu.jp/works/16816927862378848244/episodes/16817139555043232943
自作にいただいたコメント、嬉しくてにやにやしてました。本当にありがとうございます。
書いて、読んで、本当にとても楽しいイベントでした。
皆様お疲れ様でした。ありがとうございました!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます