少女とロボットは、その世界を歩き続ける。

 物語の舞台は、「グレート・ヴァニシング・フラッシュ」という自然災害が起きるようになってしまった世界。この自然災害が起こると、その周辺にいた人々が「ランダム」で消し去られてしまうのです。
 現実ではありえないような話ですが、「グレート・ヴァニシング・フラッシュ」現象とともに起こる、暴風雨と落雷は、今私たちの世界でまさに起こっている恐ろしい自然災害と結びつきます。

 この世界で消されずに生き残っている、主人公の少女・明子とロボット・トミーは、長い旅をしていました。それは明子を助けてくれた幼馴染・智明を探すためです。彼も「グレート・ヴァニシング・フラッシュ」現象によって、消え去った一人でした。

 最初から最後まで、空の描写が印象的な物語です。
 また、明子とトミーの会話も魅力的です。やり取りが面白いですし、トミーに人間味があるところがこの子を作った人のことを想像させます。

 少女とロボットが、天気によって変わった世界の中を歩き続けながら、大切な人を探すSF物語です。
 気になった方は、読んでみてはいかがでしょうか。

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