材料入れて、調味料ぶちこみ、ボタンをピ。さて、いったい何を錬成するのか

 著者さま、渾身の一品とはなんだろう……?

 さて、このエッセイでは、ほぼ使われていない『調理』という言葉。なぜか多用されている『錬成』という文字。できあがりのアナウンスと共に漂ってくるのは、ただならぬ驚愕。底知れずの想定外。
 こんなはずではなかったはず……? な、完全おまかせ調理風景は、読んでいて思わず笑えてしまう。

 さらに、おまかせ調理なのにもかかわらず、その、悪戦苦闘ぶりをしっかりと伝える、小気味よく綴られた文章、表現、疑問、愚痴? さらには実験、そして後悔?
 もう、どのページを捲ってもおもしろい……、イヤイヤ、どの調理器の蓋を開けてもおもしろいのです。

 このエッセイ、けっして料理の腕は上達するとは思えないけど、いざという時の対処法には溢れてます。
 料理すること自体が楽しくなるかも……しれませんよ?

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