映像化希望

方向音痴をテーマとした漫談小説として纏まりがあって面白かった。近大文学に対する重箱の隅をつつくような突っ込みは面白いという視点から、冒頭から矢継ぎ早にスピーディにボケツッコミを繰り返すのは話の入りとして鈍重さを感じさせない。現代にも通ずる方向音痴あるあるなネタが飽和した辺りから、作品としての個性のある振り切った展開に転じるのも構成として読者を楽しませようという意識が感じられる上に非常にユニークだった。怒涛の勢いと絵面を誇る最終盤のシーンは是非とも映像化が望まれる。

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