カクヨムの中にはいわゆる【メロス物】が定番としてありますが、この作品はその中でも傑出して面白いと思います。是非腹を抱えて笑い、日頃のストレスを吹き飛ばしましょう!
マジで、そこでそうなるか!と、一喜一憂できる作品でした。久しぶりにこんなに面白い短編を読みました。
方向音痴をテーマとした漫談小説として纏まりがあって面白かった。近大文学に対する重箱の隅をつつくような突っ込みは面白いという視点から、冒頭から矢継ぎ早にスピーディにボケツッコミを繰り返すのは話の入りとして鈍重さを感じさせない。現代にも通ずる方向音痴あるあるなネタが飽和した辺りから、作品としての個性のある振り切った展開に転じるのも構成として読者を楽しませようという意識が感じられる上に非常にユニークだった。怒涛の勢いと絵面を誇る最終盤のシーンは是非とも映像化が望まれる。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(154文字)