縛られるな、ふり解け――前に進む為に。

前作からの続編となる今作。
主要な登場人物は引き続き登場するのと、物語の緻密な世界観を存分に堪能してもらいたい為、間違いなく前作を読了した上での拝読をオススメする。

引き続き、主人公はカート。
前作で紆余曲折あり、年相応の少年らしさを取り戻しつつあった彼に、新たな人物が波乱を巻き起こす――――。


舞台は異世界ファンタジー。しかし、物語に出てくる人物たちは一様にリアルで、良くも悪くも人間味を感じさせる。
強さ、弱さ、醜さ、汚さ、慈愛、妬み……そんな人間なら誰しも持ち合わせる感情によって、この作品に出る人物たちは、それぞれの物語を紡いでいるのだ。

人生とは美しいものばかりではない。けれどもそれに抗い、懸命に生きようとする姿勢こそが、人間たる美しさであり強さなのだと、私は感じた。

過去に縛られず、前を向き、ただ進む。
そんな風に私たちも、今を生きていきたい―― いや、生きていくのだ。

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