糸を解いたその先にあるもの

前作に続けて読ませて頂きました。
テンポよくさくさく読めるので前作とトータルすると字数は結構ありますがすらっと読めてしまう作品です。

物語が進むにつれ、この作品のキーワードになっている、もつれあった「糸」が少しずつ解けていくように、話が進んでいき、そこから作品に込められたテーマやメッセージが浮き彫りになっていきます。

カートやピアやアーノルドなど魅力的な個性のある人物の秘密や内面が少しずつ明らかになりつつラストに向かってスピード感が増していく構成は、とてもよく練られていて最後までわくわくしました。

主人公のカートの成長も頼もしく見所の一つですが、個人的には母との関係により心の傷を抱えてやってきたフィーネがカートとピアとの生活を通して少しずつ成長していく様が私的にはぐっときました。

みんなに幸せに生きていって欲しいです。

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