読めて良かったと心から思いました。

風俗店で起ったある殺人事件から物語が始まります。
風俗嬢とボーイ一人一人の目線から一つの事件を見つめて語られ、事件の正体が霧が晴れるように段々と輪郭が現れていきます。
その過程に含まれる、彼女ら一人一人の爆発しそうな想い、どうしても抱かざるを得なかった感情、優しさ、哀れみ、その人がその人であって欲しい気持ちなど、一人一人にある切実な思いがひしひしと伝わってきて、登場人物全員がとても愛しかったです。

この世の中のどこかに本当に存在していそうな彼女、彼らの幸せを祈りながら、読んでいました。最終的にあるのは絶望のような気がするのに、なぜか底抜けに明るくも感じ、それがすごく悲しくて、でも最高でした。

最後の最後まで読んでからキャッチコピーを読むと、なんか泣きそうになります。全員幸せになって欲しい。

自分のレビュー文章の表現力では到底説明しきれない、本当に良いお話だなあという思いを抱きながら今この文章を書いております。
本当に素敵な話でした。

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