曽祖母と両親を亡くした主人公が、祖父母と一緒に二十一回目のお彼岸のお墓参りに来た時のお話。最近いつも機嫌の悪い祖母。昔はあんなに優しかったのに。これから食事に行くというのに気が滅入る主人公。ふと、桜の木の下に佇む着物姿のおばあさんに手招きされます。あっけらかんとした主人公とどこか見覚えのあるおばあさんの会話は、のほほんとしてホラーなはずなのに和んでしまいます。この世に渡るには方法がある。二十一回目でようやく成功したその方法とは?おばあさんは果たして誰なのか?主人公の憂いは果たして。心温まるホラーをどうぞ。
KAC第7回「21回」をテーマに書かれた作品です。お墓参りで起きた、ちょっと不思議な出来事。ほろりとした温かいお話です。どんな方にも過去があり、事情があります。本作はそんな一コマを見る事が、出来る作品です。家族の繋がり。愛する気持ちは永遠に残る。その連鎖がこれからも続くのだろう。そんな気持ちにさせてくれる、温かい作品です。主人公のケロっとした純粋さが、また堪らなく気持ちの良い作風。是非、ちょっと読んでみて下さい。きっと惹き込まれますから。
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