第7話 待ち合わせ②

エレベーターでレストラン街へ。優しいかったダンナ様と初めて待ち合わせをして昼食を一緒に食べたお店へ。焼肉屋。ここでは一人分を頼んだ。本当は二人分……。でも、今の私には一人分で精一杯。この店は私が行きたいと言った。ダンナ様は何も言わずに連れて行ってくれた。食事の後、「ありがとう」って言うと「ユエさんが喜んでくれたので、嬉しいです」と言って、優しく微笑んだ。

その後、二人で少し話をしながら歩いた。ダンナ様の手が私の手を握る。初めて一緒に手を繋いだ。

「いい?大丈夫?」

「大丈夫」

こんな時でも気遣ってくれる優しいダンナ様。

「僕はこうしているだけで幸せです」私を見つめて微笑むダンナ様。

「ウン」この時は私もつられて微笑んだ。

つられただけ…、私は手を握り返さない…。私が手を握り返し、ダンナ様の好意に精一杯応えていれば、信頼し合える関係になれたのかな?多分なれた。そう想ったら涙が零れそうになる。急いで個室に駆込む。声を殺して泣く。精一杯ダンナ様の好意に応えない私を想い泣く。後悔の涙。ただただ後悔している…、後悔……。

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