第29話:快楽殺人は見逃せません
「仕方ありません、ベテューヌ王国に転移してブリトニーを討ちます」
ベテューヌ王国で政変があって一カ月、最初はレミー達に任せるつもりだったのですが、ブリトニーの狂乱が激し過ぎてこれ以上放置できなくなりました。
自滅すればいいと思っていたのですが、王都に住む娘達を殺して血を浴びるなんて、とても見てみぬフリはできません。
「おうよ、腕がなるぜ」
「任せる、ブリトニー殺す」
「敵の連中を口先ひとつで寝返らせてみせるよ」
「ブラッディ・ウルフとブラッディ・イーグルも一緒に転移させてね」
殺される人達を見捨てるくらいなら自分の力を表に出すと覚悟した以上、もう自重は必要ありません。
攻撃魔術も防御魔術も支援魔術も全力で使います。
全力を使えば、ずっと私を護ってくれていた冒険者達だけでなく、ミリアムが可愛がっている動物達も全員転移させることができます。
「キャアアアアアアアア」
若い娘が死を目前にして絶叫しています。
娘はバスタブの上に釣り上げられています。
その前には、短剣を持ったブリトニーが嗜虐が満たされる喜びに満ちた表情をしていて、ブリトニーの残虐さを知っている私でも恐怖を感じるほどでした。
「やめなさい、ブリトニー。
これ以上人を苦しめるのは許しません」
「な、なぜおまえがここにいる、キャメロン。
お前は皇国の辺境に追いやられたのでしょ」
「おあいにくさまね、私は望んで辺境でゆっくり暮らしていたのよ。
貴女がやり過ぎなければ見逃してあげたのに。
貴女が残虐非道な真似をするから、仕方なく懲らしめに来たのよ」
「おのれ、おのれ、おのれ、婚約破棄追放女の分際で偉そうに。
殺してやる、この手で、殺してやるわ」
「やらせるわけないだろ、腐れ女」
私に襲い掛かってきたブリトニーをブレンダが叩きのめしてくれました。
事前に言ってあった通り、殺さずに、でも二目と見れない顔にしてくれました。
「オーガストを探し出して捕まえてください。
ただ、危険なようなら無理せずに殺してしまってください」
「大丈夫だよ、必ず生きて捕縛してみせるよ」
「アニー、頼みましたよ。
本当の悪人以外は殺さずに罪に応じた罰を与えます。
できれば犯罪奴隷にして、被害者に少しでも保障のお金を渡せるようにしたいの」
「分かっていますよ、任せてください」
オーガストの居場所は探知魔法で調べています。
ブリトニーと愛欲の時間を楽しむために寝室で一人待っています。
生き血で真っ赤に染まったブリトニーを抱いて快楽を得るなんて、オーガストも狂ってしまったようですね。
「私は私にしかできない事をやりますから、任せましたよ」
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