概要
空の牢獄。あるいは誰にでも降りかかる非日常。
高度1万メートル、燃料0。そんな状況でジェット機の客室に残された男は、特段何も思わず、事実を手元のメモ帳に記載するにとどめた。かくのごとき理不尽は誰の身にでも降りかかるものではある。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!突如として極限状態に追い込まれた人々
航行中の旅客機内、突然発生したおかしな事故と、それに巻き込まれた乗客たちのお話。
災害パニックもの、あるいはいわゆるシチュエーションスリラーと呼ばれる種類の作品です。舞台は航行中の旅客機に限定され、そこで生じた事故の顛末を書いた物語。極限状態での人々の行動を描き出しているのですが、独特なのはそれがただの事故ではなく、明らかに人知を超えた〝何か〟によるものであること。怪異か、それとも超常現象と呼ぶべきか、少なくとも物理法則や常識に反しているのは間違いなくて、しかしその正体はまったく判然としない。そういう意味で、ある種の不条理ホラーに通じる側面もあるかもしれません。
タイトルが好きです。わ…続きを読む