概要
はた迷惑な、精霊たちの戦争史
人の言語は、精霊の加護によって発言する。彼らは言語の精霊と呼ばれ、人との共存関係を築いていた。
言語の精霊は二種類存在する。
音声を司る口頭言語の精霊。
文字を司る書記言語の精霊。
両者は互いに均衡を保ちながら、不干渉を守って存在していた。しかし、年月の経過で人の言語に変化が生じると、彼らの関係も歪められてしまった。
それが引き金となり、精霊同士の戦争が勃発した。精霊に言語を支配されている人は、多大なる影響を被った末に――
言語の精霊は二種類存在する。
音声を司る口頭言語の精霊。
文字を司る書記言語の精霊。
両者は互いに均衡を保ちながら、不干渉を守って存在していた。しかし、年月の経過で人の言語に変化が生じると、彼らの関係も歪められてしまった。
それが引き金となり、精霊同士の戦争が勃発した。精霊に言語を支配されている人は、多大なる影響を被った末に――
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『言葉』と『文字』、優れているはどちらか?
世界には二種類の精霊が存在していた。
口頭言語、いわゆる言葉を司る精霊。
書記言語、いわゆる文字を司る精霊。
そしてその間に人がいた。
当初は棲み分けができていた彼らであったが、通信技術の発達により次第にその境界は曖昧となり、互いにいがみ合い、やがて人類を文字のみの集団と言語のみの集団に隔てる戦争へと発展する。
本作はその戦争史の起こりから顛末までを描くことに終始した作品で、特定のキャラクターが何かアクションを起こすというわけではない。
しかしながら淡々としていながらも含蓄ある表現の数々は当事者たちのシビアさに比して、読み進めていくとつい唇が吊り上がってしまうようなシニカルさがある。
…続きを読む