ショータイムは終わり

誰にも心を開きたくない

こんな自分見せたくないから

そう思ってた


たとえば会話をする

相手に話合わせる

どんなに嫌なことでも

「いいね」や「同じ」

でうなずく

自分のために発言なんてしないくせに

いい人ぶってる

我ながら演技は上出来で

気づかれずにうまくやってくた

そう思った自分が馬鹿だった

誰にも心を開きたくない

こんな自分見せたくないから

そう思ってた

でもそれじゃあなにも変わらずに

本音が心から消え去った


たとえば食事をする

相手に相槌打つ

料理のおいしさわからず

楽しみ方もわからない

本心がわからない

言いたいことがあったはず

感じたことがあったはず

なにかあったのになくなる喪失感

それすらなくなって

空っぽで過ごしてた

ここで君たちが救い出してくれるまでは

自分の心を失った

自分のために全力を尽くした

意見を聞いては答えを探ってきた

相手が望まなくてもいい

ありのままの自分の気持ちを

知ることができた気がした

ショータイムは終わった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る