12歳であること

正直なところ、少女が主人公の異世界転生、かつ恋愛ものは苦手でした。
始めの頃は、自分の力、知識、行動で状況を改善しようとするのに、
攻略対象が出てきた途端、一番活躍した男性キャラへのトロフィーになってしまうから。

でも、この作品は違いました。
年齢設定からしてもそうでしたし、周りの人物たちも、彼女を囲む環境も、
主人公が主人公であることを否定していませんでした。
後半の対峙シーン、彼女は賢者の対処を否定?しています。
覚悟を問う前に、きちんと迷いを描いているところに、完成度の高さが垣間見えます。

世界観の描写も細やかで、異世界を詳しくイメージできます。
登場人物の思惑、安直ではない、勧善懲悪でもない、
そういったことまできちんと練りこまれています。

ぜひ読んでみてください。