概要
「ぼくがすることは、いつも間違ってるんです」
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- ★★★ Excellent!!!もし逆なら〝幸せの絶頂〟だったはずのもの
なんでもそつなくこなす優等生タツミくんの、人知れず抱えた意外な悩みにまつわる物語。
不気味な不安感が魅力の、現代ものショートショートです。
初めのうちはなんの変哲もない、ちょっとした進路相談の風景なのですけれど、その内容と彼の話しぶりが奇妙な真剣味を帯びてくる、その感覚に息を呑む作品でした。重たい不安感にじわじわ絡め取られる感じ。
なにより魅力的なのは読後の余韻、この心がぞわぞわするかのような後味です。
単純に不気味というよりは、結局どこまで本当だったのか断定できないことの醸す面白み。
到底ありえない内容の相談であるが故に、それは嘘や冗談の類だったと「思いたい」心と、でもおそ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「視点の違い」を鋭く炙り出す
ここに描かれるものは、
大小の差こそあれ、現実で、大いに起こっている事だと思う。
皆さんもこれを見ると、
一体何が「その人に取っていい」ものなのか、
「皆さん自身に取っていいもの」とは何なのか、
を考えさせられると思います。
人の見る目と本人の心は別のモノ。
そしてこの結末に対しての言及は何もなく、
これを読んで感じた事こそが、
多くの「人の目」の一つなのだろうと。
人に取っての幸せってなんなんすかねぇ~。
短い学校での一場面を、
ここまで考えさせる作品へと昇華させた作者に脱帽。
やっぱ酒の力って偉大だわ(違います
皆さんもいいお酒をお供にして、
読まれる事をお勧めします。