極上の一碗、是非ご賞味を!

 自分の料理に何が足りていないんだ、答えを求めてもがく板前の成長譚。でもストーリーの根底にはあったかいものが流れている。
 何よりも特筆すべきはその料理(椀物)の描写の巧みさ。眼の前に汁に浸かったみずみずしい三つ葉が見える! まるで自分が具を噛み締めたような感覚。口中に広がる出汁、うわあ、最高。
 ストーリーと料理、どちらもご馳走様でした!