最高のドッグファイトを、最高の筆致で観戦できる幸せを是非!!!

 機密保持のため終戦時に処分された伝説の無敗機――、もうこれだけでも胸が熱くなるような設定なのに、無理難題に近い依頼を平然とこなしていく主人公の静謐な格好良さがたまりません。連作なので一つ一つはそれほど長くありませんが、その分ぎゅっと濃縮された読み応えがあります。
 
 各エピソードには激しいドッグファイトや、哀しさがあふれる幻想的な光景や、男と男の矜持のぶつかり合いや――とにかく航空浪漫たっぷり。また、それぞれの場面でまるでコックピットに居るような臨場感が。そして、機体の描写が胸が痛くなるほど美しい。
 
 谷甲州氏の航空宇宙軍史を初めて読んだときの感覚に似ています。興奮、大興奮です!!!

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