弱さも闇も己の裡に抱いて強く翔べ! 勇気と希望のファンタジー群像劇

剣と魔法とドラゴンと。これぞ王道少年漫画的ファンタジー!(※ただし主人公は斧装備)
この物語は、人でありながら竜の力を宿す『竜人』と成ってしまった2人と、彼らを取り巻く仲間たちの冒険を描いた群像劇です。

何と言っても本作は、個性豊かな登場人物たちが一番の魅力。
無骨な木こりのセイルと、引きこもり王女のフィールーン。普段は大人しめな2人が、竜人に成ると途端に荒々しい性格へと変貌するギャップがまず面白いです。
またストーリーの流れに沿い、章ごとに各キャラクターの背景を深く描いていくため、読み進めるほど仲間全員を好きになっていきます。
主役の2人のみならず、仲間たちは皆それぞれに弱さや闇や昏い過去を抱えています。
己と向き合い、弱さを受け入れ、成長する。
この過程が非常に熱くドラマチックに綴られており、ページを繰る手が止まりません。なんなら自分も一緒に成長した気分になれます。

世界に迫る危機の謎を追う。ストーリーは時として重いテーマにも触れますが、シリアスとコメディのバランスが絶妙で、重くなりすぎずにさくさく楽しく読めるのも推しポイントの一つ。
緊迫したシーンで挟まれる異世界ことわざやちょっとズレた会話など、テンポが良くて面白いです。

王道的な少年漫画が好きな方には特におすすめしたい本作。
今後の展開もしっかり追っていきたいです!

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