第8話 謎な女の子(レオラドール視点)

俺には手の掛かる婚約者がいる。


王都では、聖女であり俺の婚約者ということで好き勝手して多くの苦情が日々届いている。


一年前に急に出てきた聖女が、月に1週間という期間だけ力が使えるという不思議な力で俺や父親また周りの貴族もそう判断したが、一部の貴族の反発もありとりあえず婚約する事となった。



会うとベタベタと擦り寄ってきて、俺の部屋に泊まると毎回騒が公務にも支障が出てきたため一時避難の為に王都より北にある離宮に向かう途中であった。


俺の護衛というより話し相手で側近のデオンを連れて森の近くを通ると女性がなにやら男に絡まれていた。

とりあえずそいつらを潰して彼女を離宮まで連れてきた。


1週間眠り続け心配したが、どんどん元気になっていき俺とデオンの後を嬉しそについてくる彼女が可愛くて癒されていた。王都での嫌な日々が嘘のように身体も軽くなり公務も捗った。

何よりここに連れてきた時より少し肉がついてきた彼女は本当に美しく、彼女ほど美しい人を見たことがなかった。

彼女が平民とは思えないほど圧倒的な美であった


穏やかな日々を過ごしていると王都からこの1ヶ月聖女が力を使えなく、

彼女いわく俺が居ないからだと周りに当たり散らしているとの事だ

面倒だが聖女の力が使えないのは国に関わる。


『はあ…。なあデオン、王都に戻らなきゃダメだよな。』


『こりゃ戻るしかなさそうだな、俺はもう少しティシャと居てやりたかったが仕方ない。帰りに俺の親父所に寄って預けてもいいか?』


ああ、俺はそれしかいえなかった。

本当なら俺も彼女から離れたくはない、心も美しく周りにも気を遣い

許されるなら一緒に居たい。でも俺には婚約者がいる。

そもそも平民の彼女と俺が結婚なんてできるわけがない。


王都に行ったら陰で元気か様子だけしれればそれでいい。

あんな醜い汚い世界はティシャには良くない


彼女にお礼の為に歌を贈りたいと言われ、ならば最後に着飾った彼女を見たいとパーティーを開くことにした


当日見た彼女は本当に美しく息をする事すら忘れて彼女を見ていた。


その後の歌はまさしく驚いた。彼女が歌い出すとあたりが明るく温かくなりキラキラとした金色の粒がふり、息を呑むような幻想的な景色に圧倒された。


彼女は歌のお礼なんてと言っていたが、あれは一生に経験できないものの方が当たり前と思われる伝説の女神の祝福だ。お金をいくら払っても足りないものだ。


そしてこれほどの力のある彼女をほっとく事は出来なくなり、王都へ連れて行くことにした。


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