第12話 いざ王都へ④

今日も天気がいいなと思いながら庭園でスノウとお昼寝をしていた

みんなバタバタしていて私はスノウと神力を使って力の練習をしていた


「今日王都から騎士さん達が到着して、明日出発になるとの事ですよ。いくら温かくてもこんなところでお昼寝なんてだめですよ!」



「リオも寝っ転がってみてよ!気持ちいいよ」


リオは遠慮すると呆れ笑いをしブランケットをかけてくれた。リオとはすっかり仲良くなり、気兼ねなく色々話せるようになった


なんか宿の方がざわざわしてきた


スノウが急に立ち上がった

「スノウどうしたの?」


「ティシャ、今来た騎士の中に変なのがまじってる。絶対に僕から離れないようにしてね


でも僕は気配しかわからないから、ティシャがあのスープの時みたいに見分けるしかない

とりあえず今レオをこっちに呼んだからここにいよう」


程なくしてレオとデオンが庭園に来た


「ティシャ!!!大丈夫か?!なにかあったのか?!」


かなり急いできてくれたみたいで息が乱れていた


「レオラドール様、すみません…

特に何もなかったのですがスノウがなにか感じ取ったみたいで…」


そうか…とどこか安堵しているレオラドール様


デオンはどこか焦った様子でスノウに聞いていた


「スノウどういうことだ。言われた通り俺らでしか来てないが、なにかあったのか?


今こっちも大変なんだ。」


どうやら宿の方でもなにかあったらしく2人ともかなり焦っていた


「今言えるのは2つあの騎士の中になんか変なのが混ざってる、あともう一つここの宿でどうやらティシャの血が抜かれて偽の聖女に渡っていた。」


「「ーーー?!」」


「「どういうことだ?!」」


え…?ここで血が抜かれていたってどういうこと?


スノウが急にリオの方を見た

「ねえ、リオ。なんでティシャの血を抜いたのか教えてよ。それも僕が入れない湯浴みの間に。ね。」


「?!」


リオは走ったがデオンにすぐに捕まり地面に叩きつけられた


「スノウ何言ってんの?リオがそんな事するわけないじゃん!だって…だって…」


取り乱す私に、

ティシャとレオラドール様が優しく呼んだ


「今スノウが言ったことで、本当は思い当たる事があったんじゃないのかな?僕はさ、ティシャが大切なんだ。


後から知って取り返しのつかない事になりたくないんだ、教えてくれないか?」


ここの宿に着いた日に疲れて浴室で寝てしまい、その次の日首の後ろをかいた時に瘡蓋がとれたことがあったか、怪我した覚えもなかったので引っ掻いてしまったのだと思っていた事があった。

その事を説明すると、リオが急に泣き出した


「ごめんなさい…私の…私の母が病気でどうしても治したくて血を持っていけば治してくれると聖女様に約束して頂いて…


許されない事をしたと思ってます。

本当にごめんなさい…」


ああ、私の血のせいだ。

私がもっと頼れるようになっていれば、リオはこんなことせずに済んだはずだ。


そう思うと涙が溢れてきた



「私に言ってくれればよかったのに…

ごめんね。私の血のせいでごめんね…

せっかく優しくしてくれたのに、こんな事に巻き込んで本当にごめんね…


お母さんは大丈夫だった…?」


次にリオから言われたことは衝撃的だった


「おそらくあと数日で亡くなると思います。

嘘をつかれていたのです。1人助けたら私が使う分がなくなるから、と結局助けてもらえませんでした…」


そんな酷いことある?!


「ねね、スノウ。私がここから遠隔で治すとかそんな都合のいいことはさすがにできないかな…?」


「できるけど、ティシャがする必要ある?」


それはそうかもしれないけど、でもリオは本当に優しくしてくれてお姉ちゃんのような存在だったんだもん…


「ティシャ優しすぎるって…。

  俺は怒り狂いそうだ。」

「助けてやる必要はない」


3人の冷たい声に少し怖かったが、治せるなら治してあげたいと思った


「ティシャ様…本当にありがとうございます。ごめんなさい、私は死んで償いますので、

母を助けてください…」


「お願いします。リオのお母さんを治したいです。」


そう願うと一瞬当たりが明るくなり、風の妖精さんがリオのお母さんの映像を映してくれた。


そこには元気になった女性がいて、近くにいた男の人が泣いて喜んでいる


え、今ので治ったの?!

流石にチート過ぎるけど、今回はこれでよかったのかも…


とりあえずリオは宿というよりお城と言った方がいい建物の地下に連れて行かれる事になり私達も宿に戻ることになった

















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