第19話 癒しの力
お城に来てからもうすぐで3週間ほど経ったある日、急いで来て欲しいとレオに呼ばれて選び抜かれた護衛ルイと向かっていた
そこに着くと息を飲んだ、怪我人が多く横たわり手や足がなくなっている者もいた
お願いします!!来てください!!
誰か助けてください!!
そう叫んでる声と人だかりをみて駆け寄った
そこにひときわ酷いもう死にそうなほどの傷を負った騎士がいた
(お願いここにいるみんなを助けたい。この人を死なせたくない)
そうその騎士の傍で願うとティシャを中心に一気に光や金色の粒子があたり一面に降り注いだ
傷が深く死にそうだった騎士の傷は徐々に塞がっていき、嘘みたいに傷がなくなった
そして周りの人も傷がなくなり、手や足まで生えていた
「聖女様だ」「俺の手が戻ってる!」「本物の聖女様の力だ」「女神だ」「奇跡だ」
あっちこちからティシャを讃える声がして
みなティシャに感謝の声をあげていた
そして先程まで死にかけていた騎士がティシャの前へ跪いた
「祝福の女神様。貴方様の力を恩恵を受けさせていただきこの命を救って頂き感謝しております。この御恩を一生忘れません」
それを号令かのように騎士達が一斉に跪いた
私は驚いたが、「神のご加護がありますように」と声に出し願った
もう一度金の粒子が上から降り注ぎ妖精さん達が現れた
「私の大好きなティシャ!会いに来たよ!
ティシャが祝福をあげるなら私達もこの人達に祝福をあげるよ♪
ティシャの祝福より弱いけどそれでもきっとご利益あるよ」
そう言いながらたくさんの妖精さん達が水色の粒子を落としていく
じゃあ私ももう一度!と手を上にかざすと金色と水色の粒子が落ちてきてとても幻想的な景色となった
その姿を目の当たりにした騎士や神官、
いつのまにか来ていたレオラドール様とデオン、
みな驚き目を見開いてただ目の前に起こっている光景を目に焼きつけた
それもそのはず怪我を治して貰って、こんなに強固な祝福をただでしてくれているのだ
しかも文献でしか見たことのない妖精と一緒に楽しそうに何度も祝福をしてくれている
その姿はまさしく女神であった
神殿にいってもここまでの祝福は貰えない
「ティシャ…君は本当に…
このままどこかへいってしまうんじゃないかと思ったよ
いつから妖精と知り合いになったの?」
「あの道に迷った日に妖精さんの泣き声を聞いて迷ったの。それで妖精さんの傷を治してあげて気がついたらいつも遊びに来てくれるようになったの!可愛いでしょ!」
「本当に驚かされるばかりだよ」
そしてまた初めてレオと呼んだ日と同じように甘く優しく微笑んでくれた
その日を境に第2騎士団の方々と仲良くなり、あの日は討伐の帰りの最後の野営で魔獣に襲われて壊滅の危機だったという
そして聖女様と言われるようになった
神殿が許していないのにいいの?と思ったが、神殿からも大聖女よりも上のもはや女神的な信書が送られてきたらしい
もう一つ変わった事というと、あの日死にそうだった騎士アレンが毎日お花を届けてくれるようになった
アレン以外の全員も贈りたいと願ったのだが、そんなには貰えないから一つでお願いしますと伝えた
アンいわくトーナメントをして優勝したら渡せるというルールになったらしく誰もアレンに勝てないんだとか…
それってある意味反則なのでは…?と思ったがみんなが楽しくやっているならいいかと思った
それにアレンも何かを多く語るわけでもなく来てお花をもらい元気かという話だけして帰っていく
そんなトーナメントをしてまで渡しに来たいようには見えないからまた不思議なんだよね
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