雪のような純粋さと儚さで語られる至極のラブストーリー

スノウが自分の名前について語る時の衝撃的な生い立ちが、序盤から心に深く残り、そこから一気に話を読むのにそう時間はかかりませんでした。

イヴァン自身の記憶に残された秘密と、謎の追手たちとの攻防の中で揺らぐスノウの恋心が相まって物語がどんどんスピードアップしていきます。
また、話ごとに非常にめりはりのある構成になっており、毎話できちんと話が進むので気がついていたら読み終わっていたくらいの没入感が持てます。

スノウの相手のいる人を好きになってしまったどうしようも無いやるせなさと、その名の通りの『雪』の如くピュアで真っ直ぐな気持ちや、
イヴァンもスノウを思いやるものの、妻子持ちの身であることから一線を引きながら、それでも彼女に惹かれる二人の心の描写が胸をつきます。

二人の微妙な心の揺れの中で話が核心に触れる時、二人の下した決断をぜひ、見届けてほしい作品です。

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