旅である

 ひとこと紹介に書いた通りの一言に、この作品を読んで感じた事を全て凝縮したいと感じてしまう、それくらいのものです。

 レポ、日記という面もあるかも知れませんが、通読した時に感じるのは、これは間違いなく物語であるという事でした。

 ガイドではないと思います。チズモ鳴ければ、詳しい路線図や、案内もないです。これを読んで四国を回れるかといわれると、私は無理です。

 しかし書かれているのは淡々と事実を綴ったのではなく、作者の好みを感じられる文章です。

 電車やバスのゆったりとした時間や、全然、イメージした事もない四国という土地にある食べ物、場所への興味…そういうものが確かにある文章なのです。

 そう感じると、旅というものは本来、自分で道を探し、見つけていくから旅なのだと感じさせられ、そういう私の中に生じたいものを「旅である」という一言に凝縮できるものがあります。

 これは紛れもなく物語です。