龍と人との繋がりを巡るファンタジー

世界観がとても緻密に創られている印象を受けました。
ファンタジーなので当然といえば当然なのですが、この基礎ががしっかりしていないと没入感を得にくい。
国の名前や物の名前といったところから魔術に至るまで理論的に構築されています。
龍がどのように生活しているのかも分かりやすい。
書くべきところは説明し、想像を膨らませる部分は情報量を少なくするというのは小説として大切な部分です。
ファンタジーだとここが難しいのですが、それをさらっと行っているので読んでいて不安を感じることはありませんでした。
きっと面白くなるだろうと思わせてくれる作品でした。
どうやら不穏な事件が頻発しており平和だった世界にも、悪意が満ちている様子。
ミステリ的な謎も投入することでジャンルを横断する魅力もありました。
主人公にも隠された秘密があるようなので徐々に解決していく過程も楽しみです。
本格的なファンタジーを読んでみてはいかがでしょうか。

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