実った二本の柿の木と、実らなかった兄弟の想い

兄と生き別れ、養子に出された主人公。家族を慕う気持ちがありながらも、一緒に暮らすことは叶わず、柿の木に兄への想いを寄せます。

切り刻まれ、切り捨てられたのは誰なのか。
一見すると主人公のように思えますが、家扶の清野との対話。
「お前は私を切り捨てたりはしないよね?」
「当たり前です。いつも一緒です」

献身的に仕える関係性に、背徳的な美しさを感じます。
短い作品ですし、終わり方も余韻あるものですので、読者の想像力の翼でいかようにも世界観が広がっていきます。

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