メヴィスの黄昏

　ふたつの種族が共存し、戦争をし、そして一方が姿を消した世界。旅の神官アロールは戦争が起きた理由を求めて孤独な旅をする。滅びゆく種族の生き残り、そしてかつての彼らを知る人々と出会う旅の中、彼は少しずつ彼自身の旅の理由を語る。戦争ですべてを失った彼は、せめてもの慰めを得ることができるのか。
　ひっそりと生き悩み死にゆくひとびとが淡い幸せを求める、心踊らない異世界ファンタジー小説集「フォルシーカ断章」第15話。