陽炎が消えた時、タータンの向こうに見えたもの。

陸上の、それも短距離の疾走感が好きな人は多いと思います。
位置につき、走り出すための心と体の準備をして、スタートをするまでの短いようでいて長い時間。それまでのトレーニングと支えてくれた人たちへの想い。スタートの合図とともにそれらが弾け、前に進むための力となる‥‥。
王道ともいえるこの展開を、私たちは大好きなはずです。

この『空に走る』は主人公の葵、そして詞と昴の姉妹が織り成す透き通った青春の物語です。夏が嫌いだった、の冒頭で始まるこの話のゴールがどう終わるのか、そしてタータンの陽炎が消えたその先にあるものは何か、ぜひ一読して確かめてください。

うだるような夏の暑さを、一陣の風が吹き払い、読者を爽快させてくれることを保証します。

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