いつ終わるともなくそばにいる

ネタバレします!

しょっぱなからスランプの葵くんが、熱き血潮をたぎらせて走る姿を、読者として隣で見ている感じがします。
そのあとで昴との会話があって、スランプなんだよと葵くんがいいます。
次の章で昴から詞のしたためた「手紙」を小説として受け取ります。
ここで、視点は葵くんのものになり、昴を異性として認めています。
そして、

On Your Mark.

でまた天から葵くんを見守り、そばで見つめている感覚がします。
彼がゴールテープを切るところでは、自分が風になって一緒にゴールしたような気持になります。
わかったのは、この物語は詞視点で終わりを迎えるんだということ。
もう、この世にいない詞が、読者をエンディングまで導いて、葵くんに青春の片道切符を握らせるのです。
風になって、自分の役目なのだと言って、詞がずっとずっと葵くんのそばにいるのを感じます。

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