主人公は殺し屋。常に生と死を見つめながら生きています。
だからこそ、彼の考え方は深くて時に新鮮です。
そんな彼が仕事で訪れたトルコ。
美味しい物を食べて美しい景観に佇み、可愛い土産物を買う。
死と隣り合わせだからこそ、鮮烈に感じる人々の日常。
トルコと言う歴史深い地で連綿と続く文化、習慣などを肌で感じていることが、読者にも臨場感たっぷりに伝わってきます。
一緒にトルコに行けたような気持ちになれますよ。
魅力的な旅物語。お勧めです。
他にもブラジル、マレーシア編もあるので、お気に入りの国を見つける楽しみもありますね。
タイトルが『殺し屋日記』でジャンルが『エッセイ・ノンフィクション』。
読む前に「どういうこと?」と思いましたが、間違いなく殺し屋さんのトルコの旅の様子を綴ったエッセイでした。
ちょっと古風で堅い語り口が癖になります。
彼は終始生真面目なのですが、そのせいでどことなくシュール。
特殊能力を用いた殺しの仕事ゆえの、彼ならではの死生観が非常に印象的です。
だからこそ。
食べる。とにかく食べる。仕事の後の禊までもがスイーツ。
他でもない殺し屋さん自身の、一人分の体を生かすための食事です。全力で生を謳歌する人なのです。
トルコのグルメに詳しくなりました。飯テロ注意です。
歴史や風土、人々の温かさなどを、肌で感じる素敵な旅日記。
あなたも殺し屋さんと一緒にトルコを巡ってみませんか?
語り部たる主人公はなんと殺し屋!
しかも想像の斜め上を行く異色の凄腕殺し屋です。
その方法は……まぁ本編を読んでください。
さて、その殺し屋が向かったのはトルコ。
日本での知名度はあまりないでしょう。
未知の国を旅する楽しさ、トルコという国のちょっと変わった国民性、そしてなんともおいしそうな料理の数々!
いろんな角度からトルコという国の魅力、国民性の独特さが分かると思います。
……これも本編を読んだ方が分かりやすいでしょう。
つまり、これはエッセイという体裁をもった旅日記というかロードムービー的なものなのです。
異国を旅する楽しさと、主人公に付きまとう影、それが合わさって独特の物語になっています。
……うん。やっぱり本編をとにかく読んで欲しいですね。
とても雰囲気の独特な物語でした!
まず、タイトル・ジャンル・タグを見比べて「え!え?」と驚きました。
殺し屋が主人公のエッセイ、ですと??
ジャンル間違えてるんじゃないかと思ってしまいましたが、読み出してみるとこの取り合わせ、意外とイケるんです!
主人公はあくまで淡々と、ハードボイルドに。
でもトルコの陽気な人たちは、お構いなしに色んな物を差し出してきては主人公を驚かせます。
殺し屋のハードな仕事も、トルコの美味しい料理、楽しい音楽、美しい土産物…などの前では少し霞んでしまいます。
次はどんな場所へ行き、どんな美味しいものを食べるのでしょうか。
殺し屋の仕事(フィクション)と心湧き立つ旅日記(ノンフィクション)の一見チグハグなコラボ、ぜひ一度満喫してみてください!