ダークすぎる濃厚ファンタジー。その臨場感に思わず目を覆いたくなる!!
- ★★★ Excellent!!!
最新まで拝読させていただきました。
こちらの物語は、「大崩落」という世界の変貌から巻き起こる地球を舞台にしたダークファンタジーです。
地球と言えど、舞台は現地球とはかけ離れている異世界のような世界で、魔法や様々な種族が交わり暮らす舞台となっています。
そこでひたむきに暮らす「紫蘭」というまだ小さな一人娘を持つ若い母親が主人公のお話です。その主人公自体にかなり謎が残されたまま話が進むので、ハラハラドキドキ、そして少しずつ解き明かされていく謎に「そういうことだったのか!」と思わず唸ってしまいます。
ダークファンタジーと一言では言い表せない濃い過ぎる世界となっており、グロテスクな描写がかなり目立ち、その濃厚過ぎる世界へいい意味で引きずり込まれること間違いなしです。
まずオープニングが圧倒的戦闘描写に圧巻。もう最終章かな?というぐらいな力のこもったリアルで疾走感がある描写で、思わず声が出そうになります。
登場人物もメインな人物は主役を含め女性6人程しかおらず、それぞれがかなり個性が強く、そのシーンごとに濃い行動をしていくので、内容もかなり頭に入って来ます。
基本的にその人物の1人称として話が展開していくので群像劇に近い感覚で読めるのも魅力的な一つだと思います。
全体的にかなりシリアスな内容になっており、目を覆いたくなるような戦闘シーンもかなりあります。いや実際見てるわけではないのですが(笑)
それ程に戦闘シーンがもう本当に度肝を抜く!!臨場感がすごい!!
そして心理描写もかなりあり、全ての登場人物の背景や思いが事細かに表現されており、作者さまの知識量、文才にもかなり尊敬を抱いてしまいます。
人物の容姿や性格、趣味嗜好など、事細かさにも圧巻!(本編で記載あり)
だからこそ、かなり細部にまでこんな風に物語を表現できるんだろうな~と思いながら読んでいました。
こちらの物語とは別で短編「ライブラ」があるのですが、そちらを先に読んでこの本編を読むと更に楽しめる事間違いなしです。
まだまだ謎の多いミステリー要素も強く、黒い濃厚な世界が好きな方、浸りたい方にぜひおすすめした物語です。とても大好きです。
犠牲から何を得るのか。
優しさとは欠け離れているこの世界。そんな場所へ足を一歩踏み入れてみると、自身が生きる世界もまた違った視点で見えてくるはず。
そんな素晴らしい気付きを与えてくれる本作です。