もしも母親が新興宗教にドップリとハマってしまったら

新興宗教の実態。
信者の間での人間関係。
マインドコントロールの恐ろしさ。
とってもリアルに描いています。

しかしそれらはこの作品の真のテーマではありません。
最終話まで読んで愛をテーマにしていたんだと気づきました。
物語は娘である沙羅を主人公にしています。
冒頭からすでに家族はバラバラです。
そんな中、沙羅はとある事情で父や兄と会おうとしますが……。

扱うテーマはシリアス。
幸せそうな登場人物はほとんどいません。
しかしなぜかスイスイと読めてしまいます。
各話ごとに予想以上の出来事が起こり、次はどうなるのか? と気になる話運びのせいもあります。
それもあるけど、根底に愛があったからこそ重さも気にならずに最後まで夢中で読んでしまったのでしょう。

沙羅が主役ですが、もうひとりの主役と言ってもいい久美子の存在感は特筆モノ。
新興宗教にハマり、洗脳されてしまった姿。

果たして家族は久美子を救えるのでしょうか?
ぜひ読んで確かめてみてください。

その他のおすすめレビュー

はらだいこまんまるさんの他のおすすめレビュー562