信仰と愛はイコールなのか。宗教に翻弄された家族が愛を取り戻すまでの物語

「沙羅」と「双樹」。
二人は新興宗教にどっぷりとハマった母親・久美子のもと、生まれた時から厳しい教えを叩き込まれてきました。
幼い頃は教え以外を知らずに育ち、成長していくに従って、歪んだ教義、体制に疑問を持ち始め…
ついに、母親と対立するようになります。

宗教が原因で瓦解した家族。
妊娠し、新しい命を生み出そうとする沙羅。
あくまでも宗教の教えを押し付けようとする久美子。
家族の葛藤、衝突が、息もつかせぬ展開で、沙羅と双樹のみならず読者をも翻弄し続けます。

身近な家族が、歪な宗教を盲信していたらどうなるか。
そこに本物の家族愛は存在するのか。
多くのことを教えてくれる、読み応えのたっぷり詰まった名作です。

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