ある年配女性が綴る、自分史の中の数ページです。エピソードタイトルのページ数で、その時の年齢がわかります。
ページ5・幼児時代から始まり、祖父母や両親との思い出、思春期の恋愛などの悩み…出逢いと別れ、結婚、そして今度は新しい自分の家族との、数えきれないほどの思い出。
その時々、とても初々しく鮮やかに、彼女の人生が花開いていきます。
ハラハラすることも多く、読んでいてのめり込んでしまいます。
節目節目にいつも降っていた雨は、まるで彼女の物語を見守ってくれているよう。
感情移入しながら、ハラハラじっくりほんわかと読ませていただきました。
ゆっくりと積み上がっていく現代ドラマ。お薦めです♬
雨……と言うと私はあまり良くないイメージを抱いていました。
ですが、この作品を読んで、そのイメージは消え去りました。
主人公のりんさんの日記を通じて様々な雨の日の思い出が綴られていく物語です。
幼少期の思い出、青春の思い出、嬉しいこと、悲しいこと、色々な思い出が雨とともに美しく綴られています。また、丁寧な背景描写と音楽でより物語に深みが増しています。
悲しい思い出のシーンで思わず涙を流してしまった話も、嬉しい思い出のシーンで思わず嬉し涙を流してしまった話もあります。心を動かす、素敵なお話が詰まっています。
読みながら、「あ、私にもこんな雨の日の思い出があったな」と思い出して幸せな気持ちになりました。
ぜひ、ご自身の雨の日の思い出を振り返りながら読んでください。
人が生きる中で記憶に強い印象が残る出来事……。例えばそれは月明かりだったり、何かの曲だったり、吹き抜ける風だったり……。
この作品は主人公の可鈴こと『りん』さんは雨がその人生に大きな印象を与えていた。
ノートに記された出来事を辿る人生の物語は節目節目で雨が絡んできます。悲喜こもごもの思い出が雨の厳しい面や優しい面と絡み見事な演出となっていて、作品は更に深みを増して行きます。幼少期や青春、就職、結婚……きっと皆さんも共感することは多いのではないでしょうか。
久々に心に残るヒューマンドラマを読んた気がします。読後感は本当に素晴らしい!