その女性の人生は雨に彩られていた……読後感が素晴らしい作品です!


 人が生きる中で記憶に強い印象が残る出来事……。例えばそれは月明かりだったり、何かの曲だったり、吹き抜ける風だったり……。

 この作品は主人公の可鈴こと『りん』さんは雨がその人生に大きな印象を与えていた。

 ノートに記された出来事を辿る人生の物語は節目節目で雨が絡んできます。悲喜こもごもの思い出が雨の厳しい面や優しい面と絡み見事な演出となっていて、作品は更に深みを増して行きます。幼少期や青春、就職、結婚……きっと皆さんも共感することは多いのではないでしょうか。

 久々に心に残るヒューマンドラマを読んた気がします。読後感は本当に素晴らしい!

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