培ってきた心と育んできたこころが交わる時、そこにあるのは幸せがいい……

 軍を退役することになった老大尉のもとに、特命が下された。
 それは、新型の軍用アンドロイドの教育……。戦闘に特化するのではなく、日常の生活を教えるというもの……。

 同居生活の初期の頃は、ぎくしゃくとしていたが、ふたりは次第に打ち解けていく。
 少しずつ、人を、人のこころを理解していくアンドロイド。本当の娘のように接して、多くのものを分け与えていく老大尉。
 そこには、確かに、親娘の愛情が存在していた。

 しかし、時代が、それを許してくれなかった。
 各地で、革命の炎が暴れだす。

 その炎は、幸せに暮らしていたふたりの間近にまで迫り、老大尉には命令が届く。

 互いに、それぞれを、自分の信念に基づいて護ろうと、自分自身に誓いを立てた時、そこに残されたものは……。

 これは暖かくも、切ない物語……。

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