天正元年に、降り立つ歴女は。令和の世の夢を見るのか。

いわゆる歴史小説とは、少し異なる。

ときは天正元年八月。近江、小谷城。歴史好きなら御存知の、信長と長政、最後の合戦の地である。

え?バリバリの歴史物でしょ?違うのである。主人公は信長でも長政でも、明智光秀でもない。彼女の名は『アメ』。問答無用の専業主婦。そして『オババ』。オババはアメの姑だ。現代から転生した、嫁と姑の冒険活劇なのである。
しかし、アメはただの『専業主婦』ではない。『歴女』、すなわち古今東西の叡知を頭に詰め込んだ物好きさまだ。そしてオババはハードボイルド感満載の、威風堂々とした女傑である。この二人が飛び込んだ、天正元年八月とは…

読み易く分かり易い文体。しかしその背後に潜む膨大なる含蓄。
だがその本質は。生きることを決して諦めず、どこまでも人を見詰め探求する『人間賛歌』。

むちゃくちゃ面白いですよっ!
オススメですっ!

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