無知の恥

この傑作に対し、どのような言葉を付したらよいか一晩考えてみたのです。
しかし、破格の作品ゆえに、なかなか気の利いた言葉が見つかりません。
だから、率直に言うしかないのです。

― もし未読なら是非読んでみて欲しい
きっと、世界が広がるから ―

『多様性の尊重』という言葉を近頃よく目にします。しかし、どうも表層的にしか使われていないように思われます。
多様性を尊重することとは『異質な他者を受け入れること』ではなく。
『自らが異質であること』、これを知ることにこそあるのだと思うのです。
異質なもの同士が互いを慮りながら手を取り合って、日々にぶつかりながら認め合っていく。
…果たして我々に、そんなことが出来ているといえるのでしょうか?

この作品は非常に重い。おそらく作者が全人格をかけて、絞り出すようにして書ききった作品であろうから。
この赤心のような作品に対し、我々もまた真摯にぶつかっていくべきであろうと思うのです。

真なる心と心とがぶつかったとき。
その響きは、一体何を生むのか。

柊圭介氏の最高傑作のひとつ。
是非、飛び込んでみて下さい!

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