気付けば10冊以上も購入していました。
『はじめに』の目録を見て、
…なんかムツカシソウナ本ばかりだな…
と、お思いになった皆さん。
ところがところが!
こちらの書評を読み、心を魂を揺さぶられ、急ぎ購入した『カラマーゾフの兄弟』の面白いことと言ったら!!もう、確かに確かにエンターテイメント的にオモシロイのですよ!
更に読みながら、「待てよ。ドストエフスキーとしっかり向き合うには、西洋哲学、つまりカントあたりに目を通しておくと楽しくなるんじゃないかな?でも、学生時代に挫折したんだよなあ。…そうか!久里琳さんは『道徳形而上学原論』を挙げていらしたから、つまりそこから始めろということなんだなっ!」
と、知らぬ内に【綜合的体系的読書法】を教授されていたわけなんです!
いやスミマセン。個人的体験をべらべらと。しかし、『書評』でこれだけの興奮を覚えたことはいまだかつて無く、『書評』にこれ程まで魅了されたのは初めての体験だったもので。
…ムツカシイ小説は、ちょっとなあ。
そうお思いの皆さん。いいんですよ作品は読まずとも。でも、こちらの書評だけは是非読んでみて下さい。実に魅惑的な世界があることを、様々な角度から教えてくれるはずですから。約束しますよ。
ああ、また買ってしまいました。
…ふふ、楽しみ。
筆者選りすぐりの本を独自の視点で紹介、分析、解説していく、素晴らしく内容の濃いエッセイです。一作一作に対する情熱と愛情にあふれていて、圧倒されます。
難しい文学論ではなく、好奇心を刺激される読みやすい文章で、いつの間にか作品世界の奥深くに連れていかれるような感覚。そしてこういった作品を生み出した書き手の人生にも言及されていて、ここにも筆者の洞察眼が光っています。
取り上げられた作家はこんなにも深く愛情を込めて読み込んでもらえることに感謝しているのではないでしょうか。
次の一作が楽しみになる読み応え満点の書評です。