刺さります。しっかりと呼吸をする事を忘れずに読んで下さい。

幼少期の十年間をパリで暮らした紘一は家族の帰国でいきなり日本の中学校に投げ込まれる。帰国子女として身も心もズタズタに傷つけられる紘一の心と叫びはリアル過ぎて、これはフィクション小説なんだと言い聞かせないと読み進められない程の迫力がある。
辛い物語であるからこそ、読めば物語の最後に紘一に沢山の拍手とエールを送りたくなると思う。
一つだけあげるならば、紘一は日本では心も体もあんなに傷つけられたのに、ある人に言われたことを大切に、ある事を一生懸命に勉強し続けている事。別の地で暮らしながらも祖国を思う気持ちは、日本で生まれ育ってぬくぬくと暮らしている私達よりもずっと強いものだと感じます。

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