シーン3:遠い日の思い出
久人:シーンイン!(ころころ)4点上昇、39%! よし、落ち着いてますね。
GM:取り敢えず、少女の服は調達できた。流石に漫画のようなドレスを着せて出歩くわけにもいかない。
その服に着替えた少女――彩はと言えば、先程からスカートの裾を摘んではふわりと広げ、ぴょんと飛び跳ね遊んでいる。
そんな様子を横目に朝のルーティーンをこなすうちに、キミはある可能性に思い至った。
夢で見たという事は、もしかしたら過去に何かヒントがあるのでは?
写真、動画、その他色々……何処かに手がかりは無いものだろうか。
久人:「さて、記憶探しか……取り敢えずはアルバムからかな」
家の本棚からアルバムを引っ張り出して、情報を探してみます。
GM:では、こちらの判定をお願いします。
◆情報収集
〈意志〉 6
久人:〈意志〉なら得意分野ですとも。いざ、(ころころ)達成値22で成功です。わぉ。
GM:っょぃ。
では。キミはアルバムを
特にピンとくるような情報はなく、彩について思い出せることはない――だが、キミは自分の記憶に違和感を覚える。
まるで、その連続した風景に、何処か空白があるような……。
久人:「あれ……記憶探しのはずが、俺の記憶まで穴あきって、どういうことだ……?」
彩:「……なにみてるの、ヒサト?」
座って写真を漁るキミの肩越しに、ひょこりと顔を出す。
「あっ、これってヒサトかな。わたしより、ちょっとおおきい?」
アルバムの中のキミを指差し、弾む声音で言う。
久人:彩の仕草が、いちいち可愛い……。
GM:ククク……ヒロインのあざとさを味わうのだ……。
久人:「ああ、まだ幼い頃の写真だけどね。昔は体が弱くて、色々と苦労もしたっけなぁ」
遠い目になりつつ、昔に思いを馳せる。
「しかし、アルバムは不発か……他に昔のことを調べられそうなものは……」
というわけで、次の情報源について思案する。
GM:では、そうですね……【感覚】か〈RC〉で判定をお願いします。難易度は秘匿ですが、それほど高くはありません。
久人:では〈RC〉で判定しますね。(ころころ)達成値22、どうだ!
GM:さっきから凄くない……?
ではバッチリわかりますね。肩越しに彩がアルバムを覗き込んできた際の話ですが……少し、触れた箇所がピリつくような感覚があります。
キミにとっては慣れているかもしれない感覚――恐らく、レネゲイドでしょう。
ただ、薬のような危険な雰囲気や悪意を持ったモノではない事もわかります。
それよりは、『レネゲイドに触れている』という感覚が強く印象に残るかもしれません。
久人:「……この感覚、オーヴァード? いや、違うか。この感じ――RB(レネゲイドビーイング)か?」
そう呟き、彩をまじまじと見つめる。
彩:「……う~ん、わからない」
視線を向ければ、久人の真似をしてアルバムを捲るも、ダウンして頭から煙を吹いていそうな彩の姿。
「……? ヒサト、どうしたの?」
久人:そんな彼女の様子に、首を横に振って応える。
「いや、彩の記憶について考えてただけさ。さて、少し休憩にしよう。根を詰めすぎても良い結果は得られない。漫画を描くのと一緒だ」
彩:「そうなの? ……うん、じゃあ、きゅうけいする」
すくりと立ち上がり、読んでいたアルバムをせっせと整え始める。
久人:「ああ、そういうものさ。しかし……これはバイト先(UGN)を頼ることも考えた方がいいかもな……」
と言いつつ、彩と一緒にアルバムを整理していきます。
GM:ではキミたちは一度アルバムを片付け、休憩を取ることにする。
少し時間が飛んで、1時間ほど後。
作業を再開し他の場所から情報を探ってみるも、此れといってキミが思い出せるモノはない。
というより、先程感じた空白が何度も頭をちらつく事だろう。
……彩はと言えば、何か写真を持ち上げて太陽に透かして見たりしている。キミの創作用の資料を読んだのだろうか。
彩:「……わかんないや。やっぱり、おぼえてないのに、おもいだすのは、むずかしいかな……」
へにゃり、とその場にへたり込む。
久人:「大丈夫。気休めだけど、きっと思い出せるよ。気になるだろうけど、焦らずいこう」
そう言って、落ち込む彩の頭をポンポンと撫でる。
彩:「……うん、えへへ」
頭を撫でられ、今度は表情が緩むように笑う。しかし、次の瞬間――。
「――! ……?」
何かを見つけ、或いは感じ取ったかのように立ち上がる彩。彼女はそのまま窓の方へと歩み寄り、ガラス越しに外をじっと見つめている。
久人:「彩、外が気になるの?」
彩:「うん、えっと……うまくいえないけど……なんか、いやなよかんがする」
やがて、何かを確信したように目を見開くと窓から離れ――。
「たぶん、こっち!」
どうやら、外に出ようとしているらしい。
久人:「嫌な予感か……わかった、一緒に行ってみよう」
彩と一緒に、外に出ます。
GM:キミたちは家を飛び出し、人の多くなりはじめた朝の街を走る。
一抹の不安と、何かが見つかるかもしれないという期待を含み、その速度は上がるばかりだろう。
久人:「さて、何が待っているのやら……」
「(……それに、俺の記憶の空白にも関係あるかもしれない。レネゲイド絡みの可能性も高い。油断は禁物だ)」
高まる緊張感を胸に、久人と彩は街を疾駆するのだった。
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