シーン5:クロスロードに住む隣人

久人:シーンイン! (ころころ)5点上昇、80%!


GM:頭を押さえ、うずくまる彩。キミが心配して駆け寄ると――。


彩:「おもいだした、の。あれは……“シックス”。たぶん、だけど……わたしをねらって、それで。

 じゃま、だったヒサトを……その」

 先程までと同じく、しかし震えるような声で言葉を紡ぐ。

久人:「彩を狙って……一体、何者なんだろう。他に何か思い出した事はある?」

 気遣うように、穏やかな声音で問いかける。

彩:「ほかは……わからない、けど」

 穏やかに声をかけるキミの――先程の獅子に斬り裂かれた赤の滲む肩を見る。

「……わたしがいたら、また、あれがくるから」

久人:「彩……あんまり気に病まないでほしい。また来るなら、やっつければいいさ。なにせ――」

 そう言って、笑って見せる。

「ああいう荒事にも、ある程度は慣れてるからね」

 力こぶを作るポーズを取って、おどけたように答える。


 努めて平気そうに振る舞う久人。その様子を見て、彩は暫く顔を俯かせると――。


彩:「――ごめん。でも……やっぱり、じゃまなの、わたしだから」

 そう、少し崩れた笑顔を浮かべ。

 小さな体をひるがえし、路地を抜けてその場から走り去ってしまう。

久人:「彩……っ!」

 咄嗟に手を伸ばそうとするが、肩の怪我から痛みが走り、彼女には届かない。


GM:追いかけますか?


久人:追いつけるかはわからない。それでも、追いかけてみましょう。


GM:路地裏から駆け出した少女を追いかける。

 先程までより日の上がった街は、人通りが増えてきているようだ。身長の低い彼女は、人混みに紛れてしまえば探すのは困難となるだろう。

 人の波を縫い、走る。

 そうして、背の低い誰かの影を見つけ……相手は此方に気づいたように振り返る。

 その少女は、探していた彼女と違い、落ち着いていた。

 艷やかな黒髪と温和な笑みから、底知れない雰囲気が漂う。彼女は――。


久人:この描写……ま、まさか……。


都築京香つづき・きょうか:「……あら。ごきげんよう。貴方は絵馬久人さんですね」

久人:「あなたは、確か」

 UGNのデータベースで見た覚えがある。彼女の名は――。

「“プランナー”……都築京香、さん」

 思いがけない大物の登場に、緊張が滲んだ声音で呟くのがやっとだった。

都築京香:「ええ。直接お会いするのは、これが初めてでしたね。

 私も、必要であれば下調べは怠らない主義ですので。貴方については、元より輪の中にも組み込んでいました」


 彼女は穏やかな笑みを浮かべる。その奥には、底知れない何かが潜んでいるように感じられた。


久人:「……何か、知っているんですね」

 大き過ぎる相手。それでも、訊かないわけにはいかない。今は少しでも情報が欲しかった。

都築京香:「そうですね。とはいえ、貴方が追うあの子が“生まれた”のは、それこそ貴方の知るタイミングでしかない。

 貴方にも、彼女について心当たりがありましょう」

久人:「……やっぱり俺は昔、彩と関わっているんですね。きっと俺は、あの子に強く関係する立ち位置にいるんだ。そうでしょう」

都築京香:「さて、それは自身で確かめねばなりません。何故なら――彼女は、貴方の記憶そのものです」

 一呼吸を置き、まるで風が吹き通るかの如き自然さで。その少女は口にする。

「例えば、そうですね。RBの生態、或いはその起源についてご存知ですか?」


 小さく頷き、久人は言葉を引き継ぐ。


久人:「人の思いや記憶から生まれるRB……話に聞いたことがあります」

都築京香:「UGNでは『起源:伝承オリジン:レジェンド』とも呼ばれていますか。

 貴方が彼女に関連する。彼女が貴方に関連する……それは帰結として、多少のすれ違いはあれど同じ結論に終着します。

 ただし、貴方の言う“彩”の起源は、やはり貴方の記憶そのもの。貴方だからこそ――彼女は生まれ落ちたのです」


GM:びゅう、と。強い風が街を通り抜ける。

 巻き上げられるアスファルトの埃に、キミは一瞬、目を閉じるだろう。

 そして次の瞬間には、まるで始めから何もいなかったかのように、黒髪の少女は姿を消している。


久人:「……俺が、彩を生み出した……」

 伝えられた事実を、口にすることで何とか飲み下す。

「だとしたら、やっぱり放っておけない。知らなきゃいけない。俺と彩の、真実を」

 グッと拳を握りしめ、視線を上げる。


GM:さて、ここで選択肢があります。とはいえ、ストーリーに大きな変化はありません。

 『彩を探す』か『情報収集を行なう』のどちらかを先に行なうこととなります。

 彩を探す場合、そのままトリガーシーンに移行します。


久人:なるほど……では、彩を探したいです。狙われている可能性がある以上、彼女の安全確保を優先したい。


GM:了解しました。では、シーンを終了します。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る