シーン4:暴走する夢の色

久人:シーンイン! (ころころ)9点上昇、48%!


GM:少女に先導され、街をゆく。

 人混みを避け、路地に入り、入り組んだ道を進む。

 ――ふと、キミは気づくだろう。

 この嫌な気配、背中がざわつくような感覚……間違いない、《ワーディング》だ。


 3度目の角を曲がったところで、彩は足を止める。

 その先には――。


極彩色ごくさいしきの獅子:「Grrr……」


GM:体高は2mほど。四つ足を突いてたたずみ、此方を見据える獅子がいた。

 ――否。それは獅子と言うにはあまりに奇抜な色をしていた。まるで子供の落書きか、漫画の世界の生物のような。

 ともあれ、それはキミたちを前に低く唸り声を上げている。


久人:「……彩、後ろに」

 短く告げて、彼女を庇うように前に出る。

「何だか知らないけど、レネゲイド絡みなのはこれで確定か。一歩前進と思えば、まあ悪くないかな」

 懐からペンを取り出しつつ、極彩色の獅子に相対する。

彩:「あれは……」

 獅子の姿を確認した後、ヒサトの指示に従いその場から後ずさる。

久人:「まあ、こういう時に出てきて威嚇いかくしてくる奴ってのは、大体が敵って相場が決まってる。

 荒事はあんまり好きじゃないけど……やるしかなさそうだ。行くよ、俺の作品キャラクターたち」

極彩色の獅子:「Grr……aaaAA!!!」


 獅子は一際大きな唸り声を上げ、低く身を構える。彩を見て、その視線が久人へと動くと……そのまま飛びかかって来る。


久人:《イージーフェイカー:万能器具》で作り出した紙に素早くペンを走らせ、2枚のイラストを描き出すと、それを掲げ叫ぶ。

「来い――紅蓮ぐれん竜闘士りゅうとうし! 蒼鋼そうこう獣砲手じゅうほうしゅ!」

紅蓮の竜闘士:「ウォオオオ――!」

蒼鋼の獣砲手:「ガルルァ――!」

久人:2体のアヴァターを召喚し、戦闘を開始します!


GM:では、戦闘に関するアナウンスを。

 戦闘終了条件は『極彩色の獅子の撃破』。エネミーは『極彩色の獅子』が1体、久人くんと5m離れてエンゲージを構成しています。

 また、彩は戦闘から除外され、あらゆる宣言や効果の対象になりません。

 ここまで、何か質問はありますか?


久人:大丈夫です!


GM:では……セットアップ。何か宣言はありますか?


久人:セットアップ/『ドローイングナイツ』/《原初の黄:得意領域》/ラウンド間の〈RC〉判定+5D。

 キャラクターを描き出し、アヴァターとして実体化させる。先程の描写での行動を改めて宣言します!


GM:ではイニシアチブ。行動値12で、極彩色の獅子の手番です。


極彩色の獅子:マイナー/《破壊の爪》+《ハンティングスタイル》/素手データを変更。戦闘移動を行なう。

 メジャー/《かりそめの剣士》/白兵攻撃の判定+3D。

 命中達成値は(ころころ)22ですね。走るな……リアクションどうぞ!

久人:ドッジに挑戦しますが……(ころころ)達成値8。命中です。

極彩色の獅子:ダメージロール(ころころ)30点ダメージ、装甲ガード有効です。

久人:HP0。《リザレクト》で復活します。(ころころ)HP5で立ち上がる!

極彩色の獅子:その容姿に違わず、狩人の如き動きで爪を振るい、斬り裂く!


GM:続いてイニシアチブ。行動値8で久人くんの手番ですね。


久人:はい! マイナーは放棄。

 メジャー/コンボ『ダンシングナイツ』/《コンセントレイト:ウロボロス》+《ダンシングシミター》/攻撃力+9の射撃攻撃。

 攻撃対象は極彩色の獅子。命中判定は(ころころ)達成値28です!

極彩色の獅子:こちらは《イベイジョン》によりドッジ達成値14固定なので、命中です。

久人:ダメージロール! (ころころ)22点ダメージ、装甲ガード有効です。

極彩色の獅子:装甲値はないので、22点そのまま貰いますね。結構痛い!

久人:「押さえ込めッ!」

 久人の命令に従い、紅蓮の竜闘士が極彩色の獅子と組み合う。その隙に――。

「撃ち抜けッ!」

 蒼鋼の獣砲手の左腕にマウントされたガトリング砲が火を吹き、弾雨が獅子に注がれる!

極彩色の獅子:「Grrr――!?」

 背後からの銃弾を受け、獅子は拘束を振り払い飛び退く。その体は、灰のように被弾部が崩れ始めていた。


GM:クリンナップ。宣言は――なさそうですね。次のラウンドに入ります。

 2ラウンド目、セットアップ。


久人:セットアップ/『ドローイングナイツ』/《原初の黄:得意領域》/ラウンド間の〈RC〉判定+5D。

 2体のアヴァターを従え、次の攻防に備えます!


GM:イニシアチブ。行動値12で極彩色の獅子が動きます。


極彩色の獅子:マイナーは放棄。

 メジャー/《かりそめの剣士》/白兵攻撃の判定+3D。

 命中判定は(ころころ)達成値12です。

久人:ドッジを宣言して(ころころ)達成値9。残念……!

極彩色の獅子:ダメージは(ころころ)装甲ガード有効の13点ですね。

久人:低めだけど、それでも耐えられない……《リザレクト》! HP6で復活します。

極彩色の獅子:距離を取りつつ、爪で裂く。しかし、その軌跡は先程よりも鈍っている……チャンスだろう。


GM:イニシアチブ。行動値8で久人くんの手番です。


久人:マイナーは放棄。

 メジャー/コンボ『ダンシングナイツ』/《コンセントレイト:ウロボロス》+《ダンシングシミター》/攻撃力+9の射撃攻撃。

 命中判定……(ころころ)達成値38です!

極彩色の獅子:《イベイジョン》突破、命中です。

久人:ダメージが(ころころ)41点! これは大きい!

極彩色の獅子:41点を素通しで受けて、これは……HP0で戦闘不能です。

久人:「弾じゃらちが明かないか……だったらこれだ! ミサイル!」

 蒼鋼の獣砲手の右肩に設置されたポッドから、雨あられとミサイルが降り注ぐ。

「今だ、決めろッ!」

 爆風で体勢を崩した獅子に、紅蓮の竜闘士が放った渾身の蹴りが突き刺さる!

極彩色の獅子:腹部に蹴りの一撃を受け、その躯体くたいが大きく揺らぐ。

 一瞬、動きが止まったかと思うと――その体は灰のように崩れ始め、空中に溶けるように消えていった。


GM:戦闘終了。久人くんの勝利です。


久人:「ふぅ……終わったか」

 緊張が解けると同時、2体のアヴァターは影のように黒く染まり、何処へともなく消えていった。

「彩、怪我はない?」

 振り返り、彩に近寄っていく。

彩:「っ、だいじょうぶ……」


 振り返った久人が目にしたのは、少し痛そうに頭を押さえた彩の姿だった。外傷はなさそうだが……。


彩:「……! そう、あれ……おもいだした、あれは――」

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