ふたり祭

もうすぐ村の夏祭り。
この日は「みんな」が騒ぎだす……

夏休みに入ったばかりのある日、１４才の少女、日吉穂乃《ひよし ほの》は、夢の中で祖母からある頼み事をされる。
それは昔、喧嘩別れしたきり謝れなかった祖母の「友達」に謝罪の手紙を渡してほしいという不思議なものだった。
その直後に祖母急逝の一報を受けた彼女は、家族と共に祖母達の住む「芽吹村」へと向かうが……

一方、芽吹村に住む少年、１４才の諏訪神楽《すわ かぐら》は二年前、夏祭りの夜に弟が行方不明となった責任が自分にあると思い、苦しみ続けていた。
そんな夏祭り直前のある日、神楽は幼馴染みの梅宮凪人《うめみや なぎひと》と出掛けた先で、得体の知れない怪異に遭遇してしまう。

年に一度の特別な日、夏祭りの夜に、「２人」の思いが交錯する。